
WiMAX2になってから2.4GHzに加えて5GHz帯と、帯域が選べるようになりました。
(※ラジコンでいう電波のチャンネルを選択できるようになった)
それによって通信速度が上がったり、帯域によって混雑している場合他の帯域を選ぶことで常に通信スピードを安定させることができます。
ただよく見ると、5GHzにしたときに
この帯域では屋内のみでご利用ください。
屋外で利用すると電波法に抵触する可能性があります。
屋外で利用すると電波法に抵触する可能性があります。
のような空恐ろしいト書きが書いてあります。
なので今回は5GHzでモバイルルーターを使用したときになにが問題になるのか
順に書いていきたいと思います。
1.なんで2.4GHz帯はどこでも使えるのに5GHz帯は屋外で使用すると違法なのか

5GHz帯は気象衛星、航空無線航行、GPS衛星などの重要なシステムが同一周波数帯を使用しています。
なのでどこでも5GHz帯の無線接続をしてしまうと電波が干渉しあって公共サービスなどのシステ ムに影響を与えてしまいます。(全く同じラジコンを2台同時に走らせるとでたらめな方向に進んでしまったり最低動かなかったりといろいろ問題が生じます。同じことが飛行機や衛星で起こったら大変ですね。)
なので許可されたエリア以外で使用すると使用中止や設備撤去の命令など行政処分が行われると思います。従わなければ法により罰せられることもあります。
ちなみに屋外で5GHz帯の機器をしようした場合電波法違反で最大1年以下の懲役又は100万円以下の罰金になります。法人の場合罰金の金額がもっと高くなる場合もあります。
2.どこまでが違法なのか?

これは難しいですね。
たとえば、
家でモバイルルーターを充電しながら使っていたとします。
iPhoneをポケットにいれて庭に出てモバイルルーターに接続してインターネットを楽しんだら外で違法な無線通信をしたことになるのか?
iPhoneをポケットにいれて庭に出てモバイルルーターに接続してインターネットを楽しんだら外で違法な無線通信をしたことになるのか?
とか。
逆に
モバイルルーターをうっかり5GHzの設定にしたままポケットにいれて近所の自販機にジュースを買いに行った場合
無線設備は屋外で使用されているので法律上はクロということになってしまいます。
過去にアマチュア無線をやっている方が
「電波法はかなり解釈の幅が広いから実際にその時々のお役所の判断になる」と言っていたので自分としてはとりあえずわからないところには持ち込まないようにしようと思っています。
3.もちろん改造もダメ!

モバイルルーターは電波法施行規則第6条第4項第4号に規定される「省電力データ通信システムの無線局」を満足した無線機器および無線設備ということになっています。
なので違法に出力を上げる改造を行ったりするとこれに違反してしまう可能性があります。
WiMAXのつながりが悪いところやWiMAX/WiMAX2のサービスエリアによってはとても満足とは言い難い通信速度しか出ない場所があると思います。
インターネットなどで調べるとWiMAX・WiMAX2のスピードを上げる裏技のようなものが目に止まりますが内容によってはこれも電波法に違反する危険があるのでおすすめしません。
4.あぶないから5GHz帯は使わない方がいい?

矛盾しているようですが最近の機種だと屋外で使える5GHzの設定モードが付いている機種があります。
なぜこのようなことになるかというと5GHz帯のなかでもまた細かく分かれていて屋外で使用できないチャンネルが8チャンネル、ほかに気象衛星などに干渉しない為、屋外で使用できるチャンネルが用意されています。なので屋外で使用が許可されているチャンネルでの電波が拾える機種では先の重要度の高い通信機器に影響を与える危険性が少ないのでどこでも使えるというわけです。
屋外で使用が許可されている5GHz帯の電波に対応している機種だと
2.4GHz/5GHz(屋内)/5GHz(屋外)
のように3つのモードが選べると思います。
5GHz帯の周波数
W52(屋外で使用できない周波数) | 36,40,44,48チャンネル(全4チャンネル) |
W53(屋外で使用できない周波数) | 52,56,60,64チャンネル(全4チャンネル) |
W56(屋外で使用が許可されている周波数) | 100,104,108,…140チャンネル(全11チャンネル) |

余談ですがモバイルルーターが発している電波についても基地局の方で確認できるそうなので、
知らないで屋外で電波法に抵触する帯域で電波を使用していると簡単に足がつくそうです。
同様に違法に改造された機器の使用もすぐ分かってしまうのでやめた方が良いです。
どれが違法なのかわからないよ!
という方は下記のリストを確認してください。
もし当てはまってしまったら説明書などでよく確認してから使用すると良いかもしれません。
・海外製のケータイ/スマホ/モバイルルーター(電力が日本の法律に合わせて設定されていないもの)を使用している
・5GHz帯のままでモバイルルーターを持ち歩いている
・モバイルルーターを自分で改造を施して速度を上げた
・その他許可されていない場所でモバイルルーターを使用した
・5GHz帯のままでモバイルルーターを持ち歩いている
・モバイルルーターを自分で改造を施して速度を上げた
・その他許可されていない場所でモバイルルーターを使用した

これでややこしい法律ですが問題なくモバイルルーターを快適に使えると思います。
どうしても分からない場合や特別な事例は自分で判断せずに直接問い合わせてみた方が良いもしれません。どんどん新しい技術や機械が増えてきて他人事ではなくなった電子機器についての法律ですが、
正しい知識を持って活用していきたいものですね。
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コメント
コメント一覧 (1)
改造は、なかなか微妙なところがありますね。私の場合、パラボラ的なものをアルミホイルで自作して、これをWi-Fi子機の前に置くと電界強度が上がるのでやっているんですが、はたしてこれは改造に入るのか・・・機器には手を加えていない、空間の電波を反射させているだけ、でも外付けアンテナを取り付けたとみなせないこともない・・・
難しいところです。
ちなみに、「2.どこまでが違法なのか?」の部分の「庭に出てモバイルルーターに接続してインターネットを楽しんだ」場合についてですが、厳密にいうとこれも違法になります。というのは、無線局における無線設備の定義が「無線電信、無線電話その他電波を送り、または受けるための電気的設備」「但し、受信のみを目的とするものを含まない」となっているからです。つまり、ラジオやテレビは無線局に入りませんが、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど、可搬型で電波を発することが可能なものはすべて「移動無線局」にあたります。